会員は、このような魚礁・増殖礁を使って漁場の整備に取り組んでいます。
漁場の整備の方法については、各地区の協会会員または当協会にお問い合わせ下さい。
コンクリート製の魚礁
■3.0円筒型魚礁
共和コンクリート工業(株)が北海道の指導を受けて開発した魚礁。文字通り円筒型で、網掛かりが少なく、安定した流れを広範囲に作り出すとともに、面に囲まれた構造から、魚類の生息場所に適している。(重量10.83トン)
- 問合せ先:共和コンクリート工業(株)海洋水産部
- 札幌市北区北8条西3丁目(札幌エルプラザ)
TEL/011(736)0204
■FP3.00型魚礁
正立方体の形状で、内部の構造が複雑な流れを作り出す。その形状から、密着させて設置したり、複数個積み重ねるなど、自在な魚礁群を構築することが出来る。(重量11.69トン)同じ形状で1辺3.25mのものも道内で使用されている。(FP3.25型、重量13.03トン)
- 問合せ先:海洋土木(株)札幌支店
- 札幌市中央区北1条西7丁目(あおいビル)
TEL/011(271)8446
■ピラミッドP200A
コンクリート製では最大の魚礁。幾つかの部材に分けて製作し、ボルト締めして最終的な形にするため、いろいろな形状することが可能。回遊魚などを対象に大型の魚礁が必要な場合に向いている。(重量32.88トン)
- 問合せ先:広和(株)
- 大阪市此花区西九条1丁目3番31号 広和ビル
TEL/06(6462)7155
鋼製の魚礁
鋼製の魚礁は、コンクリート製と比べ、型枠に縛られないため自在な形状に製作できることと同じ大きさなら軽量にすることできることから、近年、回遊魚を対象にした大形の魚礁に要望が高い。
- 問合せ先:(株)中山製鋼所エンジニアリング事業部海洋グループ
- 大阪市大正区船町1丁目1番66
TEL/06(6555)3108
- 問合せ先:日鉄神鋼建材(株) 海洋商品営業室
- 大阪市中央区今橋 4-1-1 淀屋橋三井ビルディング 3階
TEL/06(4708)7651
タコ産卵礁
タコの産卵生態にあわせて、コンクリートブロックの中に素焼き土管を埋め込んだもの。
タコは土管の内部に卵塊を産み付け、ふ化するまで土管の中で卵を保護する。
この素焼き土管は、タコの産卵に適した特殊な大きさのもので、道内で製造(北海道農材工業(株)(札幌市、電話011-716-3291))されている。
- 問合せ先:共和コンクリート工業(株)海洋水産部
- 札幌市北区北8条西3丁目(札幌エルプラザ)
TEL/011(736)0204
- 問合せ先:海洋土木(株)札幌支店
- 札幌市中央区北1条西7丁目(あおいビル)
TEL/011(271)8446
ヤリイカ産卵礁
岩礁の棚面に産卵するというヤリイカの生態にあわせ、産卵の場所をコンクリートブロックで造成しようとするもの。
- 問合せ先:共和コンクリート工業(株)海洋水産部
- 札幌市北区北8条西3丁目(札幌エルプラザ)
TEL/011(736)0204
ハタハタ産卵藻場造成礁
魚類の産卵場となるホンダワラ類の藻場造成に適したコンクリートブロック。
棚面はホンダワラ類が定着しやすく、着生面積が大きいので効率的な藻場造成が出来る。
- 問合せ先:共和コンクリート工業(株)海洋水産部
- 札幌市北区北8条西3丁目(札幌エルプラザ)
TEL/011(736)0204
囲い礁
自然石(大割石(300kg以上))の石材を、砂や小石など海藻が生えない海底に設置し、石材が動かないようにその周りをコンクリート製のブロックで囲った施設。海藻が繁茂することから、コンブ礁として設置されるほか、ウニやアワビの増殖施設として道内全域で広く設置されている。
アサリ礁(サンドチューブ工法)
合成ゴム製のチューブの中に砂を詰め、そのチューブで区画した部分に砂を盛り上げてアサリの生息に適した砂場を設置するもの。近年、アサリの生息に適した砂場が失われることが多いため、こうして砂場を確保する工法が行われている。
フノリ礁(リノフーレ礁)
フノリは、干潮時に海面から干出する平板な地形でなければ生育しない海藻である。このため、ごく限られた場所でしか生産されなかったが、今までフノリが生育しなかった平磯地帯に、生育に適した高さのあるブロック(リノフーレ礁)を設置して大規模なフノリ漁場を開発した。このブロックはビオユニット(石炭灰を利用したもので海藻に適している)で製作され、安定的な着生・生育が可能となったほか、天然漁場では屈んで収穫するため腰に負担が大きかったが、この礁では立ったまま収穫できることから、労働軽減にもつながっている。
- 問合せ先:モバール工業会
- 札幌市北区新川1条5丁目1-8(株)アストジャパン内
TEL/011(768)3780
多機能な増殖礁(カルベース付き FP1.5G)
耐波性の高い浅海域対応のコンクリートブロックの上部に、貝殻を固めた多孔質素材のカルベースパネルを装着した増殖礁。内部空間は、魚類幼稚仔の保護やナマコの生息に適し、カルベースパネルは海藻の着生に加えて、魚類の餌となる小型のエビ・カニ類やゴカイ類の生息に適しているため、立体的な増殖場が造成できる。また、ブロックの形状が下向きの海水の流れを生じさせ、内側や周辺の砂を掃出して埋没を防ぐ。
- 問合せ先:海洋土木(株)札幌支店
- 札幌市中央区北1条西7丁目(あおいビル)
TEL/011(271)8446
マコンブなどの藻類増殖礁(アルガ―リーフ ARW6-3F(SS))
六角形をしたコンクリートブロックであり、上部の基質面には多数の溝が複雑に配置されているため、藻類着生面積の増加、幼体時期における食害の軽減、流れの変化により胞子の沈着を促進する。高さを2~3層に調整することが可能であり、陰影効果が高い内部空間は、幼稚魚の隠れ場としても機能する。
- 問合せ先:広和(株)
- 大阪市此花区西九条1丁目3番31号 広和ビル
TEL/06(6462)7155
魚礁移設による沿岸漁場の再編整備
近年、異常に発達する低気圧や台風の影響を受け、沿岸域に生息するホタテガイが減耗し生産が不安定になっている。このため、波浪の影響を受けにくい沖側への漁場拡大を目的として、ホタテガイ漁場と隣接して水深50〜60mに設置されている魚礁ブロックを沖合に移設する。工事には、魚礁ブロックの撤去・移設用に開発された専用バケットが使われ、移設された魚礁はカレイの増殖礁として機能を発揮する計画となっている。